2012年9月3日 第1回研究集会<福島市>

  • By cr-assist
  • 2012年9月3日
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9/3(月):

研究発表で、コラッセふくしま 3階302Aを会場に展開した。まず、研究代表者の藤田から、本科研費プロジェクトの趣旨を説明した。今回の研究集会のうち、特に翌日の巡検についての経過報告も兼ねた。

古関大樹(京都女子大・非常勤)氏に近代初期における地籍図の作成をめぐって、特に滋賀県の場合を中心に話題提供をお願いした。そして、阿部俊夫氏(郡山女子大短大部)に福島県と歴史資料館に所蔵された地籍図の概要についてのご報告もあった。当館の本間宏氏からも補足説明があった。

藤田 裕嗣
「災害復興・防災のための地籍図・古地図を活用したGISデータ ベースの構築-歴史地理学の観点-」

4日(火):

津波による被害状況と現状を把握するため、浜通に移動して、フィールドとして考えている相馬市相馬港周辺を巡って観察した。要点は、次の3点に分けられる。

  1. 江戸時代以来の原釜港は、津波の大きな被害を受け、家の土台しか残っていなかったが、それは逆で、後になっても各家の境界が判る様に残していると聞いた。アクセス道路における「瓦礫の撤去」について、事前に警告されていたよりも、かなり進んだ印象を持った。草刈等の維持管理も課題となろう。
  2. 福島県の文化財関係者から、高台移転という選択肢では、先史遺跡が立地していることも多く、それとの兼ね合いも悩ましい、と聞いていたが、相馬港の場合、今のところ違う選択肢だとの由であった。すなわち、内陸部でお城のあった中村との間、平野部での再建、という方針であるが、用地として確保した面積が未だ狭く、進捗が遅いようである。この点を前提に、我々の復興支援の具体的方法も探るべきであろう。
  3. 相馬中村神社等も最後に踏査し、中世以来の領主がそのまま永らえ、今でも文書を持っているとの説明があった。研究代表者が専門とする中世史にとっても、魅惑的なフィールドであると感じられた。

それに基づいて、今後の研究について打ち合わせた。

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